【完】恋のキューピットは山田君!
居るか居ないかと聞かれたら……。
「居ないけど……」
「……最悪だ」
床に両手をついて、そう項垂れた山田君
。そこまで落ち込む事なの?
「めちゃくちゃ厄介な仕事に当たっちま
った……」
あのクソ親父、なんて呟いてる山田君。
仮にも天使がこんなに口が悪くていいの
か。
ていうか、厄介って私のこと?それだっ
たらあんまり納得出来ない。
一番厄介なのは、確実にこの男だ。
「……美姫」
「な、なに」
山田君はノロノロと起き上がると、鋭い
視線をこちらに向けた。
「あんたは明日から、死ぬ気で好きな人
を探してこい」