【完】恋のキューピットは山田君!
「山田君には絶対当てられないよ」
「は?なんだそれ」
私の言い方が気に入らなかったのか、ち
ょっとムッとしたような表情を見せる山
田君。
……でも、本当だよ?
私が山田君を好きだなんて、きっと山田
君は夢にも思ってないんだろうから。
……ドキドキ、してきた。
バレンタインデーの日に、先輩に告白し
ようとしてた時と、同じ。……あの時は
、未遂だったけど。
今日は、未遂なんかじゃ終わらせない。
ちゃんと言うんだ。もう、そう決めた。
「……ねえ、山田君は私の恋のキューピ
ットだよね?私の恋、叶えてくれるよね
」
「そりゃ勿論、応援はするぞ」
「……あのね、山田君、次第なの」
うつむきがちだった顔をあげて、震える
声でそう言う。