【完】恋のキューピットは山田君!
言え。言うんだ。
ここまで来たら、もう引き返せない。
「山田君じゃなくちゃ、叶えられない」
「……さっきから何言って──」
「山田君が、好き」
そう言った瞬間、山田君の目が大きく見
開かれた。
恥ずかしい。どうしよう。言っちゃった
。もう、後戻りは出来ない。
「いつの間にか山田君が好きになってた
の」
山田君が不意に見せる優しさにドキドキ
して。
たまに意地悪だけど、それさえ愛しい。
もっともっと、山田君の事を知りたいの
。
「山田君、私の恋、叶えてよ……」
私の恋のキューピットなんでしょ?
だったらそれくらい、容易いでしょ?
山田君が頷けば、私の恋は叶うんだから
。とっても、単純だよね。