【完】恋のキューピットは山田君!
突然声をあげた私に、きょとんとする彼
女さん。
そうだ、春休みに一回だけ見たことある
。先輩の彼女さんだ!あれでちょっと落
ち込んだときに、山田君が遊園地に……
。
と、そこまで思い出して、山田君と遊園
地で目一杯楽しんだ事を思い出して、切
なくなって、テンションが下がった。
「大川先輩なら、中に居ますよ?」
「本当?あなたは、部員さんですか?」
艶のある髪の毛をサラリと揺らしながら
、そう微笑んで訊いてくる彼女さん。
間近で見ると、すっごい可愛い。……先
輩、やるな。
「あ、はい。百千美姫って言いま──」
「えっ、あなたが美姫さん!?」
途端、パアッと顔を輝かせる彼女さん。
「へぇ!聞いてた通りの美形さんなんで
すね!」
ニコニコして、私の両手をとりながら嬉
しそうにそう言う彼女さん。