【完】恋のキューピットは山田君!





「べ、別になんでも無いんです……っ」



はは、と空笑いしながら、慌ててそっぽ
を向いてそう言う。



情けない。初対面のまゆりさんに迷惑か
けてどうする。



「……もしかして、恋のお悩み?」

「ぶっ!!」



いきなり核心を突かれて、噴いた。



「あ、図星ですか?」



ニコニコ笑いながら、そう言うまゆりさ
ん。……初対面の人に、恋の悩みで泣い
てたって知られるとか、恥ずかしすぎ。



「え、えと、あの……」

「私もいっくんとの事で結構泣いたりし
たんで、わかるんです。……良かったら
、お話聞きますよ?」

「──……」



そんな、いきなり知らない人から相談さ
れても、本当はまゆりさんだって困っち
ゃうに決まってる。



だけど、誰かに聞いてほしい。





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