【完】恋のキューピットは山田君!
早口でまくしたてて、頭も下げる。山田
君の顔を見ていたら、きっと泣いてしま
うから。
「や、山田君のお給料が無くなっちゃう
のはほんと悪いと思うんだけど……」
でもそれくらいは我慢してくれるよね?
「……」
「ええと、山田君?フルならフルで、早
くしてほしいんだけど……」
さすがにこの沈黙は辛い。
ていうかここで焦らすとか山田君は鬼か
。
だけどそれでも山田君が何も言わなくて
、どうかしたのかと顔をあげようとした
時。
「え?」
急に山田君の手が伸びてきて、私の腕を
掴んだから、思わず間抜けな声が出てし
まった。
ビックリして、顔を上げると。
山田君が怒ったような、苦しそうな顔を
していた。