【完】恋のキューピットは山田君!
「お前、それ本気で言ってんの?」
「……へ?」
──次の、瞬間。
ぐるん、と視界が反転して、背中がボス
ンッと何かに沈んだと思ったら、視界に
山田君のドアップと天井。
え、なんで山田君に押し倒されてるんだ
私。
「や、山田君?」
山田君が私の上に跨がっているから、身
動きが取れない。
……あれ、なんでこんなシチュエーショ
ンになっちゃったんだ?
「お前、あんまり俺を誘惑すんな。……
俺もお前も、辛いだけだろ」
切なげに目を細めながら、そう言って私
の頬を手の甲で撫でる山田君。
それが擽ったくて、思わず身を捩る。
「や、山田君……」
「俺が美姫の事、フレるわけないじゃん
」