【完】恋のキューピットは山田君!
少しだけ熱を帯びたように思える、山田
君の瞳。
どこか憂いをたたえたその碧い瞳に吸い
込まれてしまいそうだと思った。
「……や、山田君……?」
「……まさかここまでされて、俺の言い
たいことがわかんないとか言わないよな
?」
ちょっとムスッとしたようにそう言う山
田君に、ヘラっと笑う。
その通りです。
「──つまり、こういうこと」
山田君はそう言うと、その綺麗なお顔を
グッと傾けながら、近付いてきて──。
何が起こったのか、わからなかった。
唇に触れる、確かな熱。それは、一瞬の
出来事で、でも。
「──っ!!?」
山田君にキスされたんだと気付くのに、
そう時間は要らなかった。