【完】恋のキューピットは山田君!
だけど私の頬を撫でる手は、夢にしては
やけにリアルで。
「俺、多分美姫が俺を好きになるよりも
先に、お前に惚れてたよ」
そんな嬉しすぎる言葉をいってくれるの
も、多分本当で。
涙がぽろぽろとこぼれた。
「なんで泣くんだよ」
「だってなんか……っ、嬉しくて……」
両想いになるって、こんなに嬉しいモノ
なんだ。まゆりさんが幸せそうに笑って
たのも合点がいく。
山田君は、拭うこともせず涙を流し続け
る私にフッと笑うと、もう一度、優しい
キスをくれた。
山田君との二度目のキスは、ちょっぴり
しょっぱくて。
だけど苦しいくらいに幸せだった。
唇と唇が離れてから、ボーッとする頭で
、どうにか今の状況を整理する。
そして、ある重大な事を思い出した。
山田君に好きって言った。山田君も好き
って言ってくれた。──それは、いい。