【完】恋のキューピットは山田君!





「本当に……?」

「ああ。俺が"天使"をやめて、ただの人
間になればいい。そしたら天界でのルー
ルは俺には適用されない」

「……山田君は、それでいいの?」



だって山田君、天界のトップの人なんで
しょ?天界に居れば、将来も安泰だろう
し。



それに山田君が居なくなったら……天界
の人達もすっごく困るだろうし、山田君
のお母さんとお父さんだって──。



思わず視線を落とした私に、山田君がそ
っと触れる。




「本当は、美姫にこの気持ちを言うつも
りなんてなかった。……だけど言ったか
らには、俺はもう美姫を手放さねぇ」



顔を上げると、真剣な山田君の視線とぶ
つかって、胸が大袈裟に揺れた。



「全部失ったっていい。俺はお前と居る


「……っ!」



バカ。かっこよすぎるんだよ!


そんな風に言われたら、山田君と離れた
くなくなるじゃん。



ここに居て、って思っちゃうよ。






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