【完】恋のキューピットは山田君!
「いきなり何をなさるんですか!!」
「もふもふしてます!」
「開き直られても困ります!」
そんなスイの言葉は聞こえないフリをし
て、灰色がかった、尻尾に頬擦りする。
うはー、至福ってこういうのを言うんだ
ろうなぁ。
なんて思いながら、その肌触りを堪能し
ていると、グイッといきなり後ろから引
っ張られて、もふもふが遠退いた。
もふもふーっ!と心の中で叫びながら、
私を引っ張った何かに文句を言おうと振
り向いて、固まった。
そこには、めちゃくちゃどす黒いオーラ
を出している山田君が居た。
「や、山田君?」
「何やってんのお前。馬鹿なの?ねぇ」
「い、いやいや……」
なんでそんな風に言われなくちゃならな
いのかわからない。
私、なんかした?
「何でスイになついてるわけ」