【完】恋のキューピットは山田君!
ぶっきらぼうにそう言う山田君。
「なんでと言われても……私を誘惑する
あのもふもふがいけないと思います」
至極真面目な顔でそう言うと、あからさ
まにため息をつかれた。
「あのさ、美姫は俺にだけ興味持ってれ
ば良いんだよ。他の奴に興味なんて持つ
なよ」
わかった?、と首を傾げてくる山田君。
コクン、と思わず頷くと、山田君は今度
は、スイに向き直った。
スイはほんのりと頬を紅潮させて、ボー
ッとしている。
「スイ、お前も抵抗しろって──」
と、山田君が言いかけた時。
──ぎゅうっ。
「へっ!?」
突然、スイが駆け足でこちらに走ってき
て、私の腰に両腕を回して抱きついてき
た。