【完】恋のキューピットは山田君!
▼恋のキューピット、卒業!
やっぱり駆け落ちはよくないよ
「美姫……美姫、起きろ」
「ん~……」
どこかで、山田君が私を呼んでくる声が
聞こえてくる。
だけどふわふわした思考では、もうそれ
を確かめる気力さえもなくて──。
不意に、誰かに、むにっと頬をつねられ
て、思わず眉間に皺が寄ったのがわかっ
た。
「おい、起きろって」
「んー……あと五分……」
そう言って再び、眠りにつこうとしたけ
れど。
「襲うぞ」
「!?」
突然聞こえてきた物騒な言葉に、思い切
り目を見開いた。
すると、目を見開いた先、間近に山田君
の顔があって、思い切りビックリして、
言葉が一瞬出なくなってしまった。
「……っ、!?」
驚いて、とりあえず離れようとすると、
許さないと言わんばかりに、抱き寄せら
れる──ベッドの上で。