【完】恋のキューピットは山田君!
山田君の手が伸びてきて、私を拐うよう
に抱き寄せる。
スイが、何かを見定めるように山田君を
見つめた。
「容赦しないって、例えば?」
「スイが怪我したって構わないっていっ
てんだよ」
そう言うと、スイがクスッと嘲笑った。
「生ぬるい事を仰いますね。どうせなら
、"殺してでも"と言えば良いものを」
こ、殺……っ!?
目玉が飛び出てしまうんじゃないか、っ
てくらいに目を見開く。
殺すとか殺さないとか、もう次元が違う
んですけど!?
「は?殺されたいの?Mかよお前」
馬鹿にしたように笑う山田君。
するとスイは、「勝手に人のことをM呼
ばわりしないで下さい」と不機嫌になり
、それから、山田君と私に微笑んだ。