【完】恋のキューピットは山田君!




山田君の手が伸びてきて、私を拐うよう
に抱き寄せる。



スイが、何かを見定めるように山田君を
見つめた。



「容赦しないって、例えば?」

「スイが怪我したって構わないっていっ
てんだよ」



そう言うと、スイがクスッと嘲笑った。



「生ぬるい事を仰いますね。どうせなら
、"殺してでも"と言えば良いものを」



こ、殺……っ!?


目玉が飛び出てしまうんじゃないか、っ
てくらいに目を見開く。



殺すとか殺さないとか、もう次元が違う
んですけど!?



「は?殺されたいの?Mかよお前」



馬鹿にしたように笑う山田君。



するとスイは、「勝手に人のことをM呼
ばわりしないで下さい」と不機嫌になり
、それから、山田君と私に微笑んだ。




< 351 / 392 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop