【完】恋のキューピットは山田君!
じ、と見つめられて、言葉に詰まる。
そりゃ嫌だよ。嬉しいわけないじゃん。
やっと、想いが通じたんだもん。
だけど……。
「駆け落ちってこと……?」
「そ。ちょっとロマンチックだろ?」
クスクスと笑いながらそう小首を傾げる
山田君。
確かにロマンチックかも。きっと、駆け
落ちなんて体験、滅多に無いだろうし。
でも──いいの?
駆け落ちって、あんまりいいイメージは
ない。
このままお父さんに認めてもらえなくて
、こうやって逃げるだけで……山田君は
それでいいの?
だけどそんなこと、訊けなかった。
だって山田君は、私と居るために頑張っ
てくれてるんだもん。
「──そういえば、さ」