【完】恋のキューピットは山田君!
「ていうかエデンの森ってどこにあるの
?もう結構歩いたよ?」
チラッと後方を見ながらそう呟く。
あんなに大きく存在感のあったお城も、
もう全く見えないくらいに遠い。
中に居たときから、このお城、すっごい
大きいんだろうなあ、とは思っていたけ
ど外に出て更にビビった。
まず、敷地内に噴水とバラ園があるって
いうね。もうホントにお伽の国だよ。
「もしかして疲れたか?」
「いや、別に──ひゃっ!?」
別にそうでもないけど、と言おうとした
言葉は、急に肩に担がれるようにして山
田君に抱き上げられたために、遮られた
。
「ちょ、いきなり何すんの!?」
「飛ぶ。」
飛ぶ? 飛ぶって……え!?
「飛ぶってどういうこと!?」
「そのままの意味だけど?飛んだ方が速
いし、美姫も疲れないし、一石二鳥じゃ
ん」