【完】恋のキューピットは山田君!






と、やけに興奮したような目付きでそう
聞いてきた。



しかも、目をキラキラさせたままずいっ
と近付いてくるから、私は慌てて先輩の
顔を手で押し退けた。



「近いです先輩。なに興奮してんですか
、気持ち悪い」

「だってまさか美姫から好きな人なんて
ワードが出てくるなんて!そりゃ気にな
るでしょ!」



まるで恋ばなで盛り上がる女子高生かの
如くキャッキャと騒ぐ先輩。



先輩も山田君と同じくらい鬱陶しい。



「私からそんなワードが出てくるのはそ
んなに不自然ですかね」



ちょっと睨みながらそう言うと先輩は「
不自然!」と即答した。



……失礼な。確かに間違ってはいないけ
ど、そんな満面の笑みで言われると、何
かイラッとする。



「だって美姫、カッコいいから女子にモ
テるし、男には興味ないかなって」

「……それはつまり、私が同性愛者だと
思っていたって事ですか」

「いや、そこまでは言ってないけど」





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