【完】恋のキューピットは山田君!
山田君との関係を否定されたくない。
私達が本当に想い合ってることを、知っ
て、認めて、祝福して欲しい。
大事な跡取りを奪って置いて、こんなの
自己中かも知れないけど。
「お願いします」
そう深く頭を下げると、山田君も横で頭
を下げたのがわかった。
もし認めてもらえなくても、またこうし
て説得しに来よう。
何度でも。ずっと。
すると──。
「……降参だよ。顔、上げなさい」
その言葉に顔を上げると、困ったように
山田君のお父さんが笑っていた。
「ここまで本気だったとは……。ちょっ
とキツく言われて逃げるんじゃ、大した
こと無いと思ってたけど」