【完】恋のキューピットは山田君!
どうやら違うみたいだね、と言う山田君
のお父さんの瞳は優しさを帯びていて。
「は?」と横で山田君が、すっとんきょ
うな声を出した。
「まさか、試してたわけ?」
「ま、ちょっとな」
た、試されてたのか……。
思わず、力が抜ける。山田君も、気の抜
けたような顔で放心してた。
「レオンを宜しく頼むよ」
「……は、はい!」
つまり……認めて貰えたってことだよね
!?
その事実が嬉しくて、思わず泣きそうに
なる。
「……ありがと」
山田君も、ぶっきらぼうで仏頂面だった
けど、そうお礼を言っていた。
──部屋から出ると、どこか落ち着かな
い様子で、スイが出迎えてくれた。