【完】恋のキューピットは山田君!
高校の時だって、密かにこいつはモテて
た。まあ、あまりに綺麗すぎなのと、性
格がイケメンすぎなので、高嶺の花みた
いな扱いだったけど。
それに今でさえ、美姫はよく、職場の女
の子からプレゼントを貰ってくる。王子
様状態なのはそんな変わってない。
そこに、野郎共からの"お姫様"状態まで
加わるから厄介なんだよ。
こいつがモテるのは、俺にだけでいいっ
つーの。
というか早く結婚して、名実共に俺のモ
ノにしてしまいたい。──だから、指輪
をあげて、プロポーズした。
まあつまり、この指輪は俺の独占欲の表
れって事。
「美姫、この指輪、絶対外すなよ」
「仕事の時も?」
当たり前だろ。
そこが一番重要なんじゃねーかよ。
どこかにぶつけちゃったりしたら、と不
安がる美姫の瞼にキスをする。
「外すな。外したら……お仕置きだから
な」
少し睨むようにそう言うと、美姫は怯え
たように震えた。