【完】恋のキューピットは山田君!
……いいや。もう無視しよ。
はぁ、とため息をついてから先輩から視
線を外し、的を見つめながら弓を構える
。
すう……っ、と息を吸い込んで、矢を放
とうとした瞬間。
「わっ!」
突然、横から先輩がそんな大きな声を出
すから、驚いて、矢は全く見当違いな所
に刺さってしまった。
「あっれー!美姫が外すなんてめっずら
しーい」
めちゃくちゃわざとらしい声でそう言う
先輩。……このヤロウ。
私は、先輩を鋭く睨み付けた。
「なんで急に大声出すんですか!妨害し
ないで下さい!」
だけどそう言うと、先輩はケラケラと笑
って。
「教えてくれるまで、邪魔し続けるから
って言ったもーん」