【完】恋のキューピットは山田君!
◆◆◆
「んん~……っ」
凝った肩を解すように、後ろに伸びると
、イスがギシギシと軋んだ。
時刻は午後10時。いつもなら当然とっ
くに家に帰ってる時間だけど、今日は残
業だった。
ずっと画面とにらめっこしていたからか
、チカチカする目を擦りながら、パソコ
ンの電源を切る。
「あ、山田さん終わったんですかぁー?
」
ふと、そんな猫なで声が聞こえてきて、
見ると、そこには同じ社員の女の子が立
っていた。
彼女はあまり仕事熱心とはいえないよう
な子で、こんな時間まで残ってるなんて
珍しい、と思った。
だけどその理由はすぐにわかった。
「お疲れ様ですぅ。これから、お夕食一
緒しませんかぁ?」
……それが狙いか。