【完】恋のキューピットは山田君!
もう先輩にいくら嫌味を言っても無駄な
労力だと気付き、私はそう開き直る。
すると先輩が、不満そうに唇を尖らす。
「……なんだよ、結局教えてくんねーの
?」
「……だから、好きな人が居ない、って
いうのが悩み、っていうか」
ていうかなんでこんなこと、先輩に言わ
なくちゃいけないんだもう。
なんだか先輩に恋愛相談をしてるみたい
でものすごーく恥ずかしい。
「……なに、彼氏欲しいの?美姫」
「や、欲しいっていうか……」
いっそのこと彼氏が出来ちゃえば、あの
煩いキューピットからも逃れられるんだ
ろうけど。
せめて、好きな人さえ作れば、山田君も
落ち着いてくれるかと思って。