【完】恋のキューピットは山田君!
……て、こんなこと、どういう風に先輩
に伝えればいいの。
なんて思っていたら。
「大川、百千、喋ってばっかいんなよー
」
そんな声が聞こえてきて、見るとそこに
は御子柴(みこしば)部長が居た。
「どうでもいいけどな、お前らめちゃく
ちゃ目立ってんぞ」
そう言うと、顎でクイッと入口辺りを指
し示す部長。
え?、とそちらを見れば、たくさんの女
生徒がケータイを構えて、キラキラした
目で私達を見ていた。
……なんだそのケータイは。
その女の子の集団からは、「W王子が二
人で喋ってるなんて!」とか、「なんと
お麗しいお姿……!」なんて声と共に、
シャッターを切る音が聞こえてくる。
「あー、美姫のせいで俺まで目立ってる
じゃん」
「いやいや……」