【完】恋のキューピットは山田君!
先輩に一度、憐れむような視線を送って
から私にそう言った部長。
……物凄く嫌だ。
だって先輩、話してるだけで疲れるんだ
もん。
ていうかそんなに不安なら、先輩じゃな
い人を部長にすればいいと思うのに、そ
うもいかないらしく。
実力重視なこの部活では、先輩が部長な
のは最早暗黙の了解だった。
──それから一時間。
部活が終わって、更衣室に行こうとした
途端。
「ねえ百千さーん!」
「百千さんお疲れ様ー!」
「百千さん今日も素敵だったわ!」
ワッ、と大勢の女子の皆様に囲まれてし
まって、身動きが取れなくなった。
「ど、どうかしたんですか」