【完】恋のキューピットは山田君!
「いや、あの……」
「誰も責めたりなんかしないわ!むしろ
皆が祝福するわよ。大川君の彼女が百千
さんなら、誰もが望む結果だもの!」
フェロモン先輩がそう言うと、その後ろ
でウンウンと頷く残りの女子。
いや、勝手に納得されても困るんですけ
ど。
根も葉もない噂なんですけど。
「私、別に先輩とは付き合ってないです
よ?」
そう言うと、フェロモン先輩の動きが固
まる。
そして、ギギギ……と錆び付いた機械の
ようにこちらを向いた。
目を見開いたフェロモン先輩の顔が思っ
た以上に迫力があって、思わずたじろぐ
私。
怖い怖い。
「付き合って……ない?」