【完】恋のキューピットは山田君!
嘘でしょ?とでもいうようにそう反芻す
るフェロモン先輩。
「はい、付き合ってないです」
そう言うと、フェロモン先輩が、ガシッ
と私の両肩を掴んできた。
え、ちょ……え!?
フェロモン先輩の力が思った以上に強く
て、冷や汗が出てくる。……何されるん
だろ、私。
「付き合いなさい!」
「……はい?」
なんだって?
この人、真面目な顔してとんちんかんな
事言い出したんですけど。
「百千さんは大川君と付き合うの!それ
以外の人となんて付き合ったら……」
「つ、付き合ったら……?」
「その相手の男、潰すから」
──ああ、神様。
私には、好きな人を選ぶ権利さえないの
でしょうか──……。