【完】恋のキューピットは山田君!
「お帰りー」
ぐったりと疲れて家に帰れば、更に疲れ
が上乗せされた。
そうだ、家にはコイツがいたんだった。
私の疲れの元凶でもある山田君は、私の
部屋でポッキーを食べながら寝ころんで
私の少女漫画を読んでいた。
……もう天使の面影が欠片も無いんです
けど。
お菓子食ってゴロゴロするキューピット
なんて本当に居るのか?……ここに居る
けどさ。
「床にお菓子の食べかす落とさないでよ
ね」
そう注意して、ブレザーを脱いでハンガ
ーに掛けると。
「ところで美姫、好きな男は見つかった
か?」
と尋ねてきた。