【完】恋のキューピットは山田君!
イケメンっていうのは先輩みたいなのを
言うんじゃ……先輩が調子乗るから言わ
ないけども。
だいたい……。
「私、髪の毛長いし」
今は部活だからポニーテールだけど、い
つもは髪の毛下ろしてるし。
「いや、髪が長いとかそういうんじゃな
くてさ……。美姫の行動一つ一つにイケ
メンオーラが滲み出てるっつーかさ」
イケメンオーラ?なにそれ。
「ていうか無駄に美人で凛々しい顔立ち
してるから余計に王子様扱いされんだよ
、うん」
「言ってる意味がわからないんですが」
もういいや。先輩と話してても拉致があ
かない。
「私、もう着替えてきます。先輩ももう
、そろそろ終了の時間ですよ」
時計を見ると、6時半ちょっと前。
夏に近付いてきて、大分夕暮れの時間は
延びたけど、それでも少し薄暗い。