【完】恋のキューピットは山田君!
いきなり、知らない男二人に話かけられ
た挙げ句、行く手を阻まれた。
どうやら相手校の弓道部員らしい。
「……何かご用ですか」
「連れないなぁー。こうして会えたのも
、運命かもよー?」
なーんちゃって、なんて言いながらケラ
ケラと笑う男二人。
運命もなにも、弓道部として練習試合に
来てるんだから、そりゃ会うだろう。
ていうかこの人たち、チャラチャラして
……気にくわない。
「すいません、もう戻るんで」
「ちょーっと待ってって!」
男二人の間を掻い潜ろうとするけど、ま
たもや阻止されてしまって。
ああもう、鬱陶しい。
「弓道部に女の子一人だけだから、どん
なお姫様かと思ったら、弓道めちゃめち
ゃ強いんだねー、キミ」