【完】恋のキューピットは山田君!
更衣室で着替えてから外に出ると、一人
の女の子が待っていた。
壁にもたれ掛かってくりくりの瞳をこち
らに向けたその子は、私を見つけるとパ
アッと顔を輝かせた。
「美姫ちーん!」
「ごめん。待たせちゃった?」
「ううん大丈夫だよーっ!」
ふわふわしたツインテールを揺らすこの
子は、親友の宮田愛璃(みやたあいり)
。
くりくりした大きな瞳と、ふわふわの髪
の毛は、男の子にウケがいい。
「今日もお疲れ様ー、王子様!」
「王子様じゃないし」
「えー?もう王子様でしょ!だってそこ
らへんの男の子よりモテてるもん!」
まあ美姫ちんは私だけの王子様だけど、
なんて言いながら腕に抱きついてくる愛
璃。
いやだから、王子様じゃないってば……
。
「一応名前は美姫なんだけどね」