【完】恋のキューピットは山田君!
そう言うと、キャプテンさんは私に微笑
んでから。
「百千さんも疲れたろう。今日は帰りな
さい。怖い思いをさせて、すまなかった
」
「いえ……」
大丈夫です、というと。
「じゃあ俺、美姫送るんで」
先輩がそう言ったから。
「ひ、一人で帰れます!」
って言ったんだけど、先輩は聞いてくれ
なくて。
結局その日、私だけが挙動不審のまま、
先輩と二人で家に帰ったんだ。
……正体不明の、ドキドキを抱えて。
「……先輩、今日はありがとうございま
した。あと、すいません……せっかくの
練習試合だったのに」
家の前について先輩にそう言うと、先輩
は笑った。