【完】恋のキューピットは山田君!
ちゃっかり"姫"とか入っちゃってるんで
すけどね。
すると、愛璃がクスクスと笑った。
「名は体を表すっていうのは嘘だったん
だねー」
「そんなにはっきりと言われると反応し
づらいけどね……」
「あ、でも"美"っていうのはピッタリだ
よね!美姫ちん超美人さんだもーん」
いや美人じゃないけども。
まあ、なんでも良いけどさ……。
「──じゃあ、また明日ね!美姫ちん」
駅前につくと、私の腕からするりと離れ
た愛璃がそう言って私に手を振った。
それに応えるように、小さく手を振り返
す。
徒歩通学の私とは違って、電車通学の愛
璃とはいつもここでお別れ。
ここからは、一人で帰る。といっても十
五分くらいだけど。
──そして、それはあまりにも突然の出
来事だった。