【完】恋のキューピットは山田君!
「まだ早いですー!……って、え?」
思わず、ゆっくりと瞬きを二、三度繰り
返す。
え……?生、理……?
私がフリーズしたのを肯定だと思ったの
か、私から離れて納得したようにうなず
き始める先輩。
「そっかそっかなるほどな。生理って辛
い子は辛いっていうしなぁ。美姫、今ま
でやせ我慢してたのか?」
「あ、あの先輩、一体何を──……」
「ん?だから、美姫、生理で腹痛だった
から部活来なかったんだろ?」
ケロッとしたようにそう言う先輩に、私
はとんでもない間違いをした自分が恥ず
かしくなった。
「っ違います!」
「え、違うの?言いにくそうにしてるか
らてっきりそうかと……」
「もういいです!帰ります!今日から部
活出ます!」
「え、ちょ、美姫……」
私は、追いかけようとしてくる先輩を鋭
く睨んだ。