【完】恋のキューピットは山田君!
冷静冷静……。
どうにか冷静を取り繕い、真顔で先輩を
見ると、先輩がビクッと震えた。
「え!?なんで久しぶりの再会なのに、
俺睨まれてるの!?」
「睨んでません。」
……あれ、意識しすぎていつもよりも低
い声が出てしまった。
「怖っ!!え、俺なんかしたっけ?」
……したといえばしたし、してないとい
えばしてない。
「わかりません!もー、部活しましょ」
私は投げやりにそう言って、的がある方
へと向かった。
駄目だ。
先輩と話してたらいつか墓穴を掘りそう
で怖い。
あれだ。無心になるんだ。