【完】恋のキューピットは山田君!
そうだ。もう何も考えないようにしよう
。邪念を振り払って、まっさらな心に…
…。
「俺ここー」
──ドスッ……!
集中力を高めて、的の真ん中を射ようと
弓を放とうとした瞬間、先輩の呑気な声
が横から聞こえてきて、矢は地面に刺さ
ってしまった。
「あれ、美姫もしかしてまだ不調?」
「っ誰のせいだと……!」
人がせっかく無心になってやろうとして
るっていうのに!
なんでわざわざ私の心を乱しに来るんだ
!イジメ?イジメですか。
「イジメ反対っ!」
と思わず先輩に叫ぶと、先輩はきょとん
としていたけど。
「お帰りー」
「……ただいま」