【完】恋のキューピットは山田君!
服装は、黒いTシャツに、ジーンズとい
うシンプルな物だったけれど、何故かめ
ちゃくちゃ似合ってる。
美少年が着てるってだけでお洒落に見え
ちゃうんだから不思議。美形って得だよ
なぁ……。
ていうか、こんな地域の人しか通らなそ
うな裏道に居るなんて、もしかして迷子
かな?
……いやでも、知り合いが住んでるのか
もしれないし。
だけどその美少年は塀に凭れていて、動
く気配は一向に無い。
……まぁでも、どちらにせよ、私に出来
る事は無い。
私、日本語以外喋れないし。
ここは何事も無かったように平然と通り
すぎよう──そう思ったのに。
──パシッ……!
「!?」
その金髪碧眼の美少年の前を通り過ぎよ
うとしたその瞬間、私は前に進むことが
出来ずにつんのめった。