ひだまり






「えっ!?そうなの?」


清水の言葉に驚いて、つい大声。


「しー!!みんなには内緒なんだから静かにしろよ」


呆れたように清水が言う。


「じゃぁ、山崎くんはもう受験終わりってことじゃん!!」


「そーゆーこと」


清水が笑って言う。


清水は山崎くんと同じ元野球部で、あたしの気持ちを唯一知ってる奴。


『晃彦は推薦で合格だったからセンターで終わり』


それを聞いたのは、センターの次の日、自己採点のための登校日だった。


「…で、どーするよ?」


清水が好奇心旺盛な目でこちらの様子を伺う。


「どうって…別に。だって山崎くんは彩ちゃんがいるでしょ?」


あたしがそう答えると清水も閉口してしまう。


「まぁ、あたしなりに頑張るからさ。ありがとね」






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