ひだまり



二次試験も終わり、残すところは卒業式と合格発表。


後期試験は面接だけのあたしは、他の人と比べると気が楽だった。


「川崎〜アド教えてよ」


休み時間に山崎くんが聞いてくる。


「清水に聞いてよ。知ってるから」


あたしが言うと、少し表情を曇らせる。


「清水と本当仲いいね」


なんなんだろう、この間から。


やたらと清水に過敏反応。


黙り込むあたしに山崎くんは言う。


「…好きなの?清水が」


「は?」


思いもよらぬ質問に、あたしは驚きすごい顔。


「ごめんね、変なこと聞いて」


にこりと笑って彼は清水の元へと携帯を持っていく。


本当はずっと知りたかったアドレス。


清水が教えてくれようとしたけど、つい断り続けてた。


彩ちゃんのこと知ってるのに、そんなことできなかった。


臆病なあたし。









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