唯一の涙
「冗談はさておき、今週の金曜日はよろしく頼むな」
「今週の金曜日、何かあるんですか?」
何それ、初耳だ。
そんなの全然聞いてない。
水野先輩だって、なんにも言ってなかったし。
「は?てっきり聞いているもんだと……そうか、知らなかったのか……」
「あの、焦らさないで教えて下さい!何なんですか?」
「合宿」
「へ……?」
合宿?金曜日から?嘘……。
当然私も参加だよね、マネージャーだし……ってか無理だって‼
男の子しかいないじゃん‼
「安心しろ、部屋は別だ。まず大広間に部員全員入れて、隣の小部屋に俺。一番奥かつ俺の隣の部屋がお前だ、河原」
あ、それなら何とか……。
「ちなみに鍵は?」
「南京錠でいいか?」
「……やっぱりいいです」