唯一の涙
でも本当のことだから、私はぐっと耐えた。
「気にすんな。ほら行こうぜ」
水野先輩に手を引かれて、私達は靴箱まで駆けた。
一年の私は、ここで三人とお別れだ。
「放課後、教室で待ってろよ。迎えに行くからさ」
えっ⁉また迎え?
先輩ってば、過保護すぎるって。私そんな子供じゃないし。
迎えはいりませんって言いたかったけど、時間が時間だったから、結局言えず仕舞いで教室に向かった。
まぁ、まだ初日だし、先輩も気を遣ってくれてるんだよね。
一週間も経てば、先輩の過保護な待遇から解放される‼…はず。
自分にそう言い聞かせて、教室の戸を開いた。