唯一の涙
一段落ついてホッとするのも束の間。
大広間では藤堂先生を筆頭に食後のミーティングをしていた。
私も一番後ろの一番端で先生の言葉に耳を傾ける。
もうすぐ他校との練習試合らしい。
みんなは知っていたようで特に驚いた様子もなかったけど、私は初耳だ。
そんなに早く知らされてたんなら、水野先輩、教えてくれたって良いのに……。
水野先輩じゃなくても白石先輩とか、一万歩譲って石神先輩とかさ。
……。
あれ……。
私、今のところ仲が良いのは二人(ある意味もう一人)だけ?
しかも皆私より歳上だし。
同い年の人、全然いないじゃん。
それって、やばくない?
もっと積極的に話し掛けて、友達増やさないと。
仲良くなって親睦を深めないと、マネージャーとしても一部員としても仲間としても、中途半端に選手を支えていきそうだし。
良し残りあと二日!!
まずは同学年から当たってみよう。
皆挨拶とかなら普通にしてくれるし、嫌われてはない筈だから。
「……以上、解散」
決心したのと同時にミーティングも終わったらしい。