唯一の涙
キャッチャーが現キャプテンの名瀬先輩。
戦略家で相手の裏の裏のそのまた裏を読むのが得意。
バントの名人。
あとはまぁ……いろいろ。
一人一人紹介するの面倒くさいからやめた。
「セカンっ!!」
仁科先輩の声を最後に、私は机に突っ伏した。
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「起きなって、和歌っ‼‼全校集会始まるよっ」
「あ……ごめん。マジ寝してたわ」
教室には私と紀衣しかいなかった。
グランドにいた筈の野球部の人達も、綺麗に土を慣らして、跡形も無くいなくなっている。
「良いからっ行くよ!!」
無駄に長い廊下と階段を、全速力で走る。
体育館の近くまでくると、まだ入っていない人が居た。
「なぁなぁ〜、君らも遅刻なん?」
紺色のネクタイ…三年生だ。
しかも髪は金髪、校則違反のシャツ、沢山のピアス。
どうみても不良だった。