俺と後輩と怪談と。
「この学校の七不思議を知っていますか?」
唐突な質問に、俺は呆けた。
「……七不思議なんてあったっけ?」
やっぱり知りませんか、と予想していただろう俺の返答に後輩は語り出す。
「この学校にも七不思議は存在します。そのうちの一つ、血染めの音楽室と言うのがあります。」
血染め……。
「なんか、いかにもって感じだな。」
「そうですね。詳しく話すとこんな話です。」
――音楽室にある一台のグランドピアノ。
そのピアノで演奏をすると、指を持っていかれる。
二度と指が戻ってくることはない。
勿体ぶるような口調に、ニヤリと笑う後輩。
残念ながら少しの興味が湧いてしまった。