俺と後輩と怪談と。
この言葉には、驚いた。
また神社かどこかに行かなければと考えていた俺は、目の前の彼を呆然と見つめた。
「……そんなこと出来んの?」
「ええ、出来ちゃうんですよ。」
後輩は変わらず笑顔で答える。
「先輩の協力も不可欠ですけどね。」
と彼は付け足した。
「じゃあ行きましょうか。」
そう言って後輩は立ち上がる。
俺は座ったまま首を傾げた。
「どこに?」
「その方の、」
と指さしたのは、やっぱり俺の背中で。
「想いの場所へ。」
彼はそのまま教室を出て行ったから、俺は慌てて背中を追った。