俺と後輩と怪談と。
そして話は今に戻る。
何の話し合いをしたのかは分からないが、放課後二人揃って仲良く俺の教室へやってきた。
楠木も嫌そうな顔はしているけど、仙道を拒絶してはいない。
仲良くなったわけではなさそうだけど……。
何が何でこうなったのか…。
どう考えても一番の被害者は俺だろ。
「で、今日の七不思議は?」
楠木は不機嫌顔のまま語る。
――七不思議三つ目は、啜り泣く少女。
北校舎に昔から住み憑いた少女の霊です。
夜な夜な啜り泣く声が北校舎中に響くそうですよ。
「……それだけ?」
「そうです。」
前回の壁男があれだっただけに、なんか拍子抜けだな。
「その七不思議、何の害もないんじゃないか?」
「害はありませんが、少々厄介なんですよ。それに害があるから解決するのではなく、力になりたいから解決するんですよ。」
へぇ、と声を出したのは俺ではなく仙道だ。
「少々厄介って言うのは?」
「その少女、自分が死んでることに気付いていないんですよ。」
それは厄介だね、と仙道が口を挟む。