俺と後輩と怪談と。
「先輩?俺、どこにも行きませんけど」
「お、お前が!紛らわしいこと言うからだ!!」
「え、逆ギレですか?」
「うるさい!」
俺と楠木のやり取りを、隣でクスクス笑って見ていた仙道の頭を殴る。
「痛っ……何で、俺なの?」
「……むかついたから。」
酷いと仙道は頭をさする。
俺は気恥ずかしさと居たたまれなさに、床に散らかった机と椅子を片づけ始めた。
「心配、してくれたんですね?」
クスクス笑いながら片づけを始めた楠木は言う。
「……お前が少女の霊とやらと紛らわしい約束なんてするからだよ。」
「紛らわしくなんてないです。人はいずれ逝かなければならないんですから。」
そう言った彼の目は寂しげで、俺は何て言ったらいいのか分からなかった。
「そーだね。楠木くんの言うとおりだ。うん、やっぱり面白いね。」
仙道は俺と楠木の顔を交互に見る。
「……仙道、お前も手伝え。」
「はいはーい」
こうして七不思議三つ目の物語は幕を閉じた。