俺と後輩と怪談と。
「色々聞きたいことがある。」
「そうでしょうね。」
「けど何から聞いていいのか分からない。」
正直に言ったら、楠木はクスクス笑った。
「何でもいいです。何でもお答えしますよ。」
「じゃあ…」
ちょっと間を空けて、さっきの出来事を思い出す。
「さっきの女子生徒の霊は?」
「大丈夫です。ちゃんと祓いましたよ。」
もちろん和解しました、と後輩は笑った。
「じゃあ次は…本当に死んでるんだよな?」
「はい。」
証拠を見せましょうか?と、後輩はいきなり宙に浮いた。
「ね?」
「わかった……とりあえず降りてくれ。」
後輩は言われたとおりに地に足を着けた。
「じゃあ幽霊ってやつなんだよな?」
「そうですね。」
「………」
「………」
「…………」
「…少し俺の話をしていいですか?」
何から切り出していいか分からなかった俺には有り難い申し出だった。
頷けば、後輩はニコッと笑った。