My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ
陛下とは長い付き合いの父
まだ陛下が王に就かれる以前から、お側近くに仕えていた
そして、父の人柄もあってか
陛下も父には心を許している
父の言葉を聞いて、小さく頷いた陛下
そして
「クレムまで届けてほしいモノがある」
「クレム...でございますか?」
「あぁ。今あの国は戦の最中だ。安易に近づけなくてな」
険しい顔でそう言った陛下の言葉を聞いて、確かに。と思う
先日の戦の最中に聞いた、噂
ここから馬で駆けて一週間ほど先にある国
銀が取れる事から、俺達の国と交わりがある
その国も、今戦いの中にあるとか――・・・