My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ
その姿を見て、確信する
彼女は本当は分かっているんだと
「だから、剣を取った。守る為に」
「――っ」
「そうだろ?」
今にも逃げ出しそうな彼女の手を掴んで、そう言う
美しい、その瞳を見つめて
急に手を掴まれて、目を見開いたソフィア
それでも、ゆっくりとその表情を元に戻す
「それは悪い事じゃない」
そんな彼女に、そう言う
吹き込む様に、そっと
きっと彼女の心は天秤の様に揺れている
争う事もなく、平和な世界を生きたい
そう心から思っている
でも
戦わなければ、その幸せもない事を知っている
だから剣を取った
大切な何かを、守る為に
その狭間でもがき苦しんでいる